少しの沈黙の後、芙祐が言った。


「……好きかどうか、もうわかんないことない?」

なに、それ。
好きなのか、もうわかんないの?芙祐は。


頭の中がごちゃごちゃになっていく。


「芙祐はそうなの?」

恐る恐る聞いた。
心臓は速まったまま。

「知らない」

否定……しないんだ。
……本気で冷められた。


この電話って、仲直りのためにかけてくれたんじゃなくて、
芙祐は別れたいってこと?

平常心を少しでも取り戻そうと息を吸った時、部屋のドアが開いた。


「弥生~、麻里奈ちゃんとお母さんが来てくださったわよ!昨日のお礼って……あら、電話中?」


大慌てで母親を追い出した。