「思いっきり泣いても大丈夫だよ。ここ、俺たちしかいない」


そう言ってフェイスタオル渡してくれた。


「化粧づぐよ」


「なんならあげるから気にしないで」


ふんわり優しく笑う慶太くん。


「ヤヨひどい……」

「うん」

「麻里奈ちゃんがいいなら、言わないでほしかった。そしたら、あたし……」


そしたら、あたし……慶太くんとなんの問題もなく一緒にいたんだろうな。


麻里奈ちゃんのほうがいいなら……。

付き合って、こんなふうになるなら。


ヤヨの一番になれないなら。


……ヤヨとは、ずっと友達でいたかった。