「どうしたの!?夢花が他のクラスに入って来るなんて、珍しいじゃない?」

「これ!!見た??」

夢花の手には1冊の雑誌

経営がどうのといった、文字が見えているけれど、それは若い世代に人気のファッション誌だった。


成功している経営者のファッションから、学べ。

ということらしい。


興味が無い私は、手に取った事も無い雑誌だった。

「やっぱり、知らないか。あたしも知らなかったんだけど、ほら・・・今日は皆がさ・・・。」


あぁ この雑誌の何かが、皆をざわつかせていたのね。


そして、夢花が開いたページ


私は、言葉を失った。

だって、そこには優しく微笑む坂上君がいたから。


「これ!!ア・・・坂上君だよね!?」

「う・・・うん」

「記事読んで、あたしア・・・じゃない・・・坂上君がこんな凄い人だってびっくりしちゃった!

志帆は知ってたんだよね!?

坂上君が、シモンドの社長だって事!

だって、ここに書いてあるのって、志帆のことでしょ?

坂上君は、志帆がずっと会いたかった人だったんでしょ?」


私は、夢花に答えるよりも、その文章を目で追った。

いつ戻ってきたの?

何故、戻ってきたの??

もうこっちの世界なんて、どうでもいいんじゃないの?