あなただけだった

私は教室を出て、事務室前にある公衆電話に急いだ。

―なんて打ったらいいんだろう―



ポケットベルとは言え、直也と会話するのは3年ぶりだ。



“久しぶりだね ユカコ”



メッセージと自分のベル番号を打って教室に戻った。

私のポケットベルがいつなるか気になって、気になって授業どころではなかった。
もちろん部活も集中できない。

“直也のベルにメッセージを打った”
たったこれだけの出来事が私の頭の中をいっぱいにしてしまう。



―直也が気になる?―



いや、そんな事はない。いままでほとんど思い出さなかったのだから。


部活が終わり自分のベルを見たが、メッセージは入っていない。