家の中…


自分の部屋…


うん。
ここら辺は記憶にある。


私は昔の事とかは覚えてるようだった


記憶が抜けてるのは本当に一部の期間だけ。



でもいつからなのか分からない。


車に轢かれる前ぐらいからだとは思う。










もしかしたら昔の記憶も一部


消えているのかも知れないと思うと




すこし怖い






でも自分の部屋は見覚えがある


ほっと安心しながら




部屋を見渡すと



やっぱり…




どくんっ





嫌だなぁ…


覚えてないものがあった。







1つは制服。
紺色のブレザーとスカート
白いワイシャツと黄色いブラウス
そして…赤いリボン。


咲「これって…制服…だよね…⁇

誰の…⁇どこの……?




私の………⁇」





アレ…。覚えてない…。



でも女子の制服で、


私は2人兄弟で


お兄ちゃんしかいないし…







ふとカレンダーを見る



四月のページ…



そもそも…今日は何月何日何だろう。


あれ…?

私今16歳であってるよね?





そう言えば、携帯とか何も持ってないや。







四月四日

入学式‼︎目指せ友達100人♪







私の字だ…。
入学式…。


終わったっけ?



本当に覚えてない。








そしてもう1つは

銀のパズルのピース…?

1つだけだけど…何のピースだろう

ネックレスになっている…。




なんか凄いものだなぁ…





私はこれを付けてた…

のかな…⁇







咲「ゔ〜ん…考えても分からん…」

あ。そーだ。携帯‼︎


JKなら携帯ぐらい持っててもいいはず‼︎



急いで階段を駆け下りた。





咲「おかあさーん‼︎」

そう言ってリビングを覗くと
お母さんが見当たらない


いるのはお兄ちゃんだけ



咲「お兄ちゃん、お母さんは?」




翠「おぉ‼︎咲菜か‼︎母さんなら、

ニコニコマートに買い物しにいった」



雑誌のような物を読みながら言った。





ニコニコマートって

近くのスーパーの事だ。


これは覚えている。歩いていけるかな?



咲「ねねね‼︎お兄ちゃん‼︎

私って携帯持ってた?」

翠「おぅ‼︎持ってたぞ〜‼︎

ついでに、
お前俺のことみどにぃって呼んでたぞ?

だからなんか変な気分だなっ‼︎

お兄ちゃんっ子な小さい頃の

お前に戻ったんだなぁぁ」

ニヤニヤした緩い笑みを浮かべて
嬉しそうに言うお兄ちゃんを見ると
なんかお兄ちゃんって言う事が
だんだん恥ずかしく感じてくる…

咲「携帯持ってたんだね‼︎
みどにぃありがとっ‼︎」

翠「おぅ‼︎って

えっ。えええええ?!

お兄ちゃんで良いのに〜」

嫌がるお兄ちゃんをほったらかして

急いで靴を履いて玄関を出る





えっと…えっと…

確か右に‼︎

右に続く道を行くと

ニコニコマートがあったはず‼︎



携帯あったんだ…

じゃあ自分のことがもっとよくわかる‼︎




自分のことがはやく知りたくて

夢中でニコニコマートへ

走り出した。