ピピピピピッ!

カシャン

「…。」

また、朝がきたんだ。

私が大っ嫌いな朝。

朝が来ると不安になるの…。

あの人が向かえに来るんじゃないか…って。

私の名前は、坂下 華。高校2年生。

だから、学校行かなきゃダメなんだよね。

まぁ、好きで行ってる訳ではないけど。

私は準備を済ませ、玄関に向かう。

「行ってきます。」

なんて言っても、返事なんて返ってこない。当たり前。

だって、私はあの家に1人暮らししているから。

でも、私はそれでいい。

親なんて私には不必要。

そう思っていても、『行ってきます』なんて言ってる時点で、完全に親の返事を待っている。

だから、私は、そんな自分が大っ嫌い。

そんなことを思いながら、歩いていれば、学校につく。

教室のドアを開ければ、さっきまでの騒がしかった教室内が、一気に静かになる。…ありがちだね。

「お、おはよ…。」

1人の女子が挨拶をしてくる。

が、私はそれに答えないで、自分の机の方に歩いていく。

「何あれ!感じ悪っ!」

「本当。あんな子に挨拶なんてするんじゃなかった~!」

さっきの女子がいるグループがヒソヒソと話をしている。

ま、教室内静かだから、丸聞こえだけど…。

ガラッ!

教室のドアが急に開いて、元気な声が聞こえてきた。

「おっはよー!!」

入ってきたのは、西城 光輝。

いつもクラスの中心にいる、みんなの人気者。

いわゆる、私とは正反対の、いつも、元気な人ってこと。

西城 光輝がいれば、みんながそばによっていく。

私はそばによらないけどね?

だって、いつも笑っている。

そんな西城 光輝が大嫌いだ。

だから私は、今もみんなの中心にいて、笑ってる西城 光輝をめいっぱい、睨んでやった。