ただ一人、俺が頼りにできる相手がいた。


経理の23歳の女の子。

こっちが質問すると自分がわからないことでも調べて教えてくれる。

一見悩みがなさそうな、ぼやっとした子だが、仕事熱心だといううわさはよく聞く。


俺は事務処理でわからないことがあると、すぐその子に聞いていた。

そうするうちに挨拶や自然と冗談まじりの会話をするようになっていた。

あくまでも仕事の会話だけれども。


支店長、部長、他のマネージャーや女の子にも頼りにされていた彼女は、いつも忙しそうだった。
けれど嫌な顔ひとつせず、仕事こなしていた。


若いのにえらいなと感心することが多かった。