姫は自由に生きている


2回目の転機は、中3の春。


俺の通う学校は人数が多く、学年に9クラスある。


クラス替えすれば当然知らない奴ばかりになるわけで。


でも、俺は有名らしくみんな俺を知っているのか距離をとられた。


だけどそんな俺を恐れる奴らの中に、変わった奴が一人だけ居た。


「池田くん、私吉原アヤ!よろしくね?」


濃いめの化粧にくるくる巻かれた髪の毛。小さめの身長は小動物を思わせる。


「……………」


「ちょっとアヤ!池田なんかに近づいたら危ないって!」


「え、ちょっと引っ張らないでよー!池田くーん!」


俺が無視していると、そいつの友達だと思われる女によって引っ張られて消える。


だけど、次の日も、その次の日も


「お、池田くん!」
「池田くんおはよ!」
「今日いい天気だねー」


どんなに無視しようと懲りずに話しかけてくるこの女。



その度に女なら友達が危ないからと言って引っ張ってあいつを連れ去る。


一体なんなんだ。


「池田くんおはよ!」


今日も女は俺に挨拶をする。


「なぁお前」


「え!?池田くんが初めて話しかけてくれた!?うそ嬉しい!!」


「ちっ……」


「あ、ごめんね!つい嬉しくて…どうしたの?」


「なんで俺に話しかける」


「なんでって…友達になりたいから」


「は?無理」


「そんな事言わないでよ!クラスのみんなもきっと思ってるよ?」


「んなわけねぇだろ。てめぇは馬鹿か。あいつらの目見てみろ。」


クラスを見渡せば目を逸らされる。