「れ、恋ちゃん!?」
「なに」
「ありがとう」
「別に。あの女がムカついただけだから」
新を助けたかったっていうのもあるけどね。
言ってやらないけど
ズンズン歩いてたら気づけばバイクの前。
「恋ちゃん。少し、時間いいかな」
「……いいよ」
「行こっか」
いつものバカみたいな笑顔ではなく、弱々しい笑顔。
私は無言でバイクに跨り新の腰に腕を回した。
静かに発進したバイク。
30分くらい走って停まったのは海だった。
「恋ちゃんこっちこっち」
堤防に行きそこに腰を下ろす。
「俺の話、聞いてくれる?」
新は、口を開いて話した。
愛に飢えた男の話を。

