姫は自由に生きている


10分くらい走ってバイクは繁華街で止まった。


「ねぇ新、家帰るんじゃないの?」


「だって恋ちゃんと二人きりなんてもう一生ないかもしれないじゃ〜ん。この機会逃すわけにはいかないしょ?俺とデートしよーよ」


このチャラ男は……


「はぁ……別にいいけど」


家に居てもどうせ暇だしね。


「やったねー!行こ行こ!」


「はいはい」


「テンション上げてよ〜。俺と普通のデートなんて出来るの恋ちゃんくらいだよ?あ、もしかして大人のデートの方が良かった?」


「死ね下半身緩男」


「今グサッて胸にきた…」


「ほらデートするんでしょ?行くわよ」


「は〜い」


音符が語尾に付きそうな勢いでルンルンな新。


こいつ、さすがってくらい女慣れしてるわけで。


私を車道側歩かせないし、自転車から私を守ってくれるし、会話を盛り上げてくれるわ話を振ってくれるわさりげなくナチュラルにエスコートしてくれる。


なんて言うか、女がこいつに惚れるの今なら理解出来る気がする。


気を使わなくて済むのだ。


…まぁ下半身緩い男はゴメンだけどね。


「恋ちゃん行きたい所ある〜?」


「らるぽ行きたい」


「おけ〜」


らるぽは、人気のショッピングセンターのこと。


若者向けの洋服屋さんがたくさん入っているのだ。