姫は自由に生きている


「グスン、、じゃあ恋ちゃん送ってきま〜す」


泣く泣くやっと発車したバイク。


「また明日ね」


手を振っている皆がどんどん小さくなっていく。


「ねぇ新」


「んー?」


「それ時速何キロ?」


「えっとね、20キロ」


「遅くない?」


「安全運転じゃないと右京の殺されるからね」


「別に私大丈夫なんだけど…」


天下の希龍の幹部が時速20キロでバイク走らせてるってなんぞや。


遅すぎだろ。


安全運転心がけてくれてるのは嬉しいけどさ。


いくらなんでも、ねぇ?


だって舌噛まずに普通に喋れちゃうくらいだよ?


どんどん車に抜かされてくし。


「いつも通り走っていいよ新」


私、バイクの後ろ何気に好きなんだよね。


「りょーかいっ!しっかり掴まってね〜」


一気にスピードを上げてどんどん車を抜かしていく新。


風になびかれて気持ちいい。


この瞬間が一番好きだ。