姫は自由に生きている


「元カレのバイク乗ってたとか?」


新のその質問に、ピキッと空気が凍った。


……気がした。


「琳のバイクによく乗ってたから慣れてるの」


「なるほど〜」


「ふぅ…」


「よかったー!」


「……………」


なにをそんな皆して安心したような顔をしているのか。


「じゃあ行こっかー」


「ん」


ヒョイっとバイクに跨った私を見てから新もバイクに跨る。


「恋ちゃんしっかり掴まってね〜」


「はいはい」


そう言われて新の腰に腕を回すと


「うほっ。恋ちゃんのおっぱい……むふふふ」


なんてこの男は興奮し出した。


「新、お前帰ったら死刑」


「新 殺す」


「どんまい新」


そんな変態を右京と剣は帰ってきたらどうやらボコるらしい。


やっちゃえやっちゃえ


「うそん!!?俺死ぬ感じ?って恋ちゃん地味にお腹抓られるの痛いんですけど!?」


「あら失礼。指が勝手に動いたみたい」


「それ完全に自分の意思だよね!?」


「新さっさと逝け」


「逝けよさっさと」


「逝ってらっしゃい新」


「ねぇ"行く"って漢字が違う気がするの俺だけ!?」


「ほら変態逝くわよ」


「恋ちゃんまでぇ!?」


いつまでバイクに跨ったまま喋ってるつもりなんだ?


シクシク嘘泣きしだしてるし。