恋side
いつものように罵声を浴びながら学校に登校し、時間が経って放課後になる。
もはや日常となりつつある今日この頃。
「恋、わりぃが新とバイクで帰ってくれ。今日は倉庫に来なくていい」
「?わかった」
いつもと違ったのは、右京に倉庫に来ないで家に直帰しろと言われたこと。
きっとなにか倉庫でやることがあるんだろう。
…私が居ない方が都合の良いことが。
仲間外れにされた気分で少し心の中で拗ねる。
「恋ちゃん帰ろー!」
「はいはい」
「新!恋になんかしたらぶっ殺すからな!」
「きゃー怖い怖い」
やたらとテンションの高い新に突っかかるのは剣で。
恵はそんな二人を微笑ましそうに見ている。
「新」
「なぁに右京」
「分かってるな」
「分かってまーす」
「ならいい」
なんて主語のない会話を聞きながらバイク置き場まで行く。