「懐かしい……」
「止めるなら今だぞ?」
「大丈夫」
あの頃の事は、必要以上に思い出さないようにしている。
パンパンと頬を叩いて気合を入れる。
「よし!行こう琳」
「はいよー。どんだけ剣に会いたいんだよったく。」
ガラガラガラ
倉庫を琳が開ける。
あぁ…この音ですら懐かしいと思う私は重症なのだろうか。
「お前らちーっす」
「琳さん!?こんちわっす!」
「おいお前らー!琳さん来たぞ!」
「ちっす!琳さん!」
「久しぶりっす!」
中に居た面子に挨拶をするとわらわらと群がるヤンキー。
琳はそれだけ慕われてるってことか。
「琳さん。聞いていいっすか?」
「なんだー?」
スキンヘッドのヤンキーが、恐る恐る琳に質問する。
「隣の女ってもしかして……」
「あぁ。俺の女だぞ?」
「「「「えぇぇぇぇぇぇ!!!」」」」
なんでもないように答える琳に、絶叫するヤンキー達。
本当にこのバカ兄は何を言ってるんだか。
まぁ面倒くさいから訂正しないけど。

