姫は自由に生きている


「じゃあさ、恋ちゃんの姫になる前にやりたいことってなに?」


今日の新はどんなに恋さんに蔑んだ目で見られても引き下がらないらしい。



まぁ1ヶ月も一緒に居て、恋さんの事を俺たちはなにも知らないんだ。


それは彼女が自分の事を喋ろうとしないから。


恋さんともっと近づきたい気持ちのある俺たちは恋さんの事を知りたい。


質問をしたら答えてくれると新は思ったんだろう。


「………………ある人に会う事」


恋さんの答えに、右京が目を見開いた。


「れーーーーーー」


「えー!?誰それ!男?女?」


何かを言いかけた右京の言葉を遮ったのは新で。


右京の方を見ると諦めたのかいつも通り目を瞑っていた。


「男。誰かは教えない」


「じゃあじゃあ!好きな男のタイプは?」


「そうねーー…」


少し考える素ぶりを見せた恋さんは、懐かしんだように目を細めて


「太陽みたいな人」


そう言った。