てかもうそれ恋さんが言ってる自由とはかけ離れてると思うんだけど…
まぁ恋さんが承諾したのなら俺たちがとやかく言う権利はない。
とりあえずそう言う事で落ち着いたのだった。
重い空気を変えようと思ったのだろう。
「そういえば恋ちゃんってなんでアメリカに留学したの?」
新がそんな質問をした。
その質問に、ピクリと肩を動かした恋さん。
右京は何故か新を睨んでいる。
「……気分よ」
「気分なんかで留学行っちゃったの?」
「そうよ。なんか文句ある?」
「い、いや…別にないけど…」
これ以上探られたくないらしい恋さん。
心なしか機嫌が悪い。
「じゃあなんで今頃戻ってきたの?」
「それも気分」
俺たちは気づかなかったんだ。
恋さんにとって、留学に関する質問がタブーな事に。
右京が俺たちを睨んでいたのは、ただのヤキモチなんかじゃないってことに。
気づかなかったんだ。

