姫は自由に生きている


自惚れではあるが、俺たちはそこら辺の奴より全員して容姿が整っている。


ルックスも、地位も名誉もある。


そんな俺たちに女子が群がらないわけがない。


勝手に女は寄ってくるし、男は俺たちを尊敬する。


まぁその反面、恐る奴もそう少なくはないが。


俺たちの彼女というポジション、伝説を聞きつけ希姫の地位、それらを狙う女しか俺たちは見た事がなかった。


だからこそ、あの時俺たちに興味のカケラもないと言った彼女に興味を持った。


それと同時に、好奇心も湧いた。


俺たち希龍の願いは彼女を希姫にすること。


その為には、まず彼女の姫になる事を拒む理由を知らなくてはならないし、理解して取り除いてあげなくてはいけない。


だけど、彼女は心を開いてるように見えて全く心を開いてくれない。


なにかに怯えているように、たまに思える。


彼女をそうさせるのは何だろうか。


右京は、全てを知っているのだと俺は思っている。


恋さんの発言を聞く限りね。


「大丈夫だ、恋。」


「っ……………」


「大丈夫。大丈夫だから。お前はただ、俺たちと一緒に居てくれるだけでいい。なにも、しなくていいんだ。」


長年一緒に居るけど、右京のこんな優しい声、初めて聞いた。


剣も新も驚いている。