姫は自由に生きている


毎年一年に一回、初代からの先代総長副総長全員が集まった定例会が行われる。


それには例外で、希姫も来る権利があるらしい。


ただ、今まで一度も来た事がない。


そんなに神と崇められる希姫に興味が湧き、会いたくなるのは当然で。


琳さんに聞くも毎年、いつか来る。そんな答えしか返って来ない。


そのいつかはいつなのだろうか。


俺たちは会いたくて仕方ない。


そして現総長である右京は、副総長剣の双子の姉である恋さんを姫にしたいと言い出した。


それはつまり、二代目希姫の誕生を表している。


琳さんの次の総長は、希姫の居た頃に居た為希姫を知っているらしい。


なので、希姫以外の姫を作るなんて有り得ないと言って作らなかった。


俺たちの一つ前の総長は、先代が作らなかったのなら俺たちも作らないと言い希姫は誕生しなかった。


しかし、だ。


今俺たちの代で作ろうとしている。


これは定例会で先代方に相談し、許可を取らなければならない。


これはそこまで希龍にとって重大な事なのだ。


言い忘れていたが、琳さんが総長の時の副総長は右京のお兄さんだ。


一度、抗争の時に死にかけたけど奇跡的に生きていたのだと本人の武勇伝らしい。


無口、無表情、無頓着の無の三担拍子を兼ね備える右京とは真逆の、明るくよく話す面白い人だ。


名前は、高町圭介。


琳さんの相棒だ。


彼もまた、琳さんと共に黄金世代を生きた英雄である。