「ストーップ!」
険悪な雰囲気になっている下の空気を変えたのは上から下を覗き込んでいる剣達だった。
ちなみに止めたのは新。
「あ"ぁ?」
「ちょ、怖いから右京」
「右京、それじゃあ伝わらないですよ。ちゃんと言いたい事を言葉にしないと」
「してるだろ」
「してないって。恋さんに伝わってないでしょ」
「…………」
なんか恵ってお母さんみたい。
「なんなの?用事があるならさっさと言って」
「用事、って程じゃないんです。」
「じゃあなに」
「ただの右京の嫉妬です」
「……………は?」
嫉妬、?
「俺たちと居るときより恋さんが楽しそうにしてるもんだから右京が嫉妬したんです。それが悔しいんだと思います」
「……なにそれ。ばっかじゃないの」
「ちょ、恋ちゃん!?」
私の発言に焦り出す剣と新。
「私、別にあんた達と居て楽しくないわけじゃないんだけど。あんた達と居るのも面子の子と遊ぶのも同じくらい楽しい。だけど人数が増えた方がより楽しいじゃない。ただそれだけの話よ。相変わらず心が小ちゃいわね、右京」
「…別に。それならいい。」
そっぽを向いてしまった右京。
心が狭いのも嫉妬深いのも変わってないらしい。
あ、右京幹部室戻っちゃった。
剣達もほっとした様子。
「恋さん、右京はあの通りなので程々にお願いします」
「なんで?嫌よ。」
「え?」
「なんで私が右京の為だけに自分の事抑えなくちゃいけないわけ?別に付き合ってるわけでもないのに。私、自由が好きなの。縛られるのは嫌い。だから私は私の好きな通りにさせてもらう。それが無理ならあんた達とは今後一切関わらないから」
「それは困ります。…分かりました。でも右京にも構ってあげて下さい。機嫌取り大変なので」
「分かったわよ。それでいいんでしょ?」
「はい。では幹部室戻りましょう。機嫌取りのために」
「なんで私が?」
「俺が機嫌取りするの面倒くさいので」
ニッコリ笑顔でムカつく事を言い放った恵。
え、なにこいつ。私の地雷踏んで殺されたいの?
「………………」
「さぁ行きますよ」
恵に腕を引っ張られて幹部室へ強制連行される。
剣と顔を合わしても、新と顔を合わしても、御愁傷様です。みたいな顔をされるだけで助けてくれない。
薄情者っ!

