本気で慌ててる辺り、よっぽど誰にも知られたくないナニカが隠してあるんだろう


…なんで右京が知ってるかは謎だけど


「きゃっ!」

「他の男に触らせてんな」


剣がスマホを必死でチェックしだした隙に、私をそのまま持ち上げて自分の足の間にスポリと置いた右京


「剣は弟だよ?」

「でも男」

「嫉妬?」

「……るせぇ」

「可愛い」

「可愛くねえ」


首筋に顔を埋める右京の髪の毛が当たって少しくすぐったい


「ああああ!!恋取られた!!」

「恋は俺の」

「せっかく恋とイチャイチャしてたのに!!」

「……殺す」

「ほら右京、いい加減落ち着いて下さい」


キャンキャン吠える剣と、暴れだしそうな右京を宥める恵

この場に新が居なくて心底良かったと思った、瞬間だった


「たっだいま〜!!恋たんおかえりのハグして〜……ってなにごと?」


タイミング良く買い物から帰ってきた新は、右京の足の間に座りながらも私の腕を引っ張って立たせようと右京にキャンキャン吠える剣と頭を抱えてる恵


という、カオスみたいな状況にポカンとしていた


「新助けて〜」

「まっかせなさ〜い!!」


苦笑しつつ新に助けを求めたのが間違いだった


「恋たんは俺のだー!!」

「あ?お前のじゃねえ」

「そうだそうだ!恋は俺のなの!」


話がややこしくなってしまった


……そろそろ腕が痛いよ


「いい加減にして下さい!」


ピリッと空気が変わった


「剣も新も恋さんの腕を離す!右京は恋さんを膝から下ろす!そろいもそろってうるさい!」


「「「はい」」」



雷を落とした恵が敬語を外した……ガチの怒りというを察して瞬時に大人しくなった3人


本気で怒った恵って、希龍の中で1番厄介だと思う



解放された腕を動かしながら、未だに怒られ続けてる3人を見て平和だなぁと思った