姫は自由に生きている



30分で全員集まり、今までの我慢を埋めるように見てるこっちが恥ずかしくなるくらい惜しみなく恋さんに愛情を降り注いでいる総長に声をかける


「右京、集まりました」

「そうか」

「行きますよ」

「もう少し…」


恋さんを自分の膝に座らせて背後から抱き締めたまま離さない右京に絶句だった


「右京、」

「ちっ」

「面子が待ちくたびれてます」


恋さんは、抵抗しないものの恥ずかしさのあまり口を開かなくなってしまった


「恋、」

「なに?」

「この部屋を出た瞬間から、お前は希姫だ」

「分かってるよ」

「ならいい。行くぞ」


普通の人間なら右京の言葉はあまりに主語がなくて意味が理解出来ない

俺だって単語だけで言われて未だに苦労するし、意味を考える時だって多々ある


でも、希姫でありこれから希姫になる彼女は右京の今の言葉が何を意味するのか分かったのだろう



右京と恋さんを先頭に幹部室を出た


正式に恋さんを、希姫として迎える今日

下のホールには希龍だけでなく、同盟の族も一緒にいる



「待たせた」


ざわついた倉庫を一言で支配する総長に、誰もが尊敬の目で見つめていた


「正式に、希姫を紹介する」