恵side
右京がサプライズだと称して誰にも退院をつけずに倉庫に帰ってきた時も驚いた
でも、まさか同じ出口で恋さんもそうやって帰ってくるなんて誰も想像しなかった
恋さんと右京の知られざる過去
聞きながら納得出来た
右京が恋さんに異常なまでに拘るのも執着するのも、互いに依存し合ってるのも、心が通じ合ってるのも
"2人で支え合って乗り越えてきた過去"だから
……俺たち全員の前で恋さんにキスしたのは確実に牽制だが。
気を取り直して、晴れて希姫になることを承諾してくれた恋さん
ここまでの道のりは長かった
返事をしてすぐに彼女を自宅に連れ去った右京から、今から行くと連絡が来てからかれこれ2時間
面子も全員楽しみに待ってるし、
「恋が来ない!!!」
「まさか襲われてるんじゃ!!!」
なにより煩いのを黙らすのに骨が折れる
電話をしても繋がらない
ハッキングしても特に奇襲にあってるわけでもなさそうだから、思い当たる節が1つしかなくて困る
惚れ込んだ女を護る為だけに歴代最強の座を手に入れたという右京が、10年以上もの想いを実らせた
………バックれてもおかしくはない
「ごめんね!遅くなって」
「………」
謝る恋さんと不機嫌な右京が幹部室に入ってきたのは、連絡から3時間後だった
「恋っ!遅いよ!」
「恋たんんんんんん」
「なにしてたんですか」
謝りながら定位置に座った恋さんの首筋からチラリと見えたのはキスマーク
彼女は気づいてるのだろうか?
そして遅刻したのに謝らないうちの総長は、恋さんを愛情こもった目で優しく見つめてた
なにするでもなく、ただ彼女がいるだけで右京の知らない顔が次々と見れるから不思議だ
「右京とね、蓮二に会いに行ってたの」
目を閉じてなにかを懐かしむ彼女から、確かに僅かな線香の香りがした
どうやら俺たちの的は外れてたらしい
「話したい事がありすぎてね、少し遅くなったの」
「大丈夫ですよ。今収集かけますね」
あまりに遅いから、面子は近場が条件だけど一度自由に解散させていた

