姫は自由に生きている



「明日全員集めとけ」

「了解です」


ようやく落ち着いた幹部室


「恋帰るぞ」

「ん」


当たり前のように腰を抱かれて扉に向けて歩き出す


「もう泊まりの連絡入れてあるから」

「いつの間に」


ふふっ、と笑い合ってると背後から聞こえて来る必死で引き留める声達


「恋帰らないで!」

「恋たんその男は危ない!目が獣だよ!」

「右京、明日に響かないようにちゃんとセーブして下さいね」


こいつらなに言ってんだ

右京も同じことを思ったのか、眉間にシワを寄せている


「………恋が汚れる」

「心外だ、みたいな顔してんなよ!」

「思いっきり恋たん食べようとしてるよね!?」

「はぁ…」


恵さん、私も溜息つきたい


「右京はどっかの誰かと違うからそんな事するわけないでしょ」

「俺を見ながら話してるのは気のせいだよね?恋たん」

「気のせいじゃないけど」

「ブロークンハート!!!」

「ねえ恵、恋が純粋すぎて可愛いんだけど」

「そりゃ右京が手を出せないわけですよね」


剣に可愛いって言われちゃったえへへへ


「帰る」

「あ、ちょ右京!」


ヘラヘラしながら剣を見てたら右京に担がれて見送られながらも強制的に幹部室から出る事となった


迎えの車に優しく降ろされると静かに車は発進する


見慣れた右京のマンションの前に停まった車から降りて、2人で家に帰った


いつもと違うのは、手がちゃっかり恋人繋ぎされてること


それだけで口から出そうなくらいドキドキする私の心臓は、きっと何個あっても足りない


先にお風呂に入って右京のTシャツを1枚着て寝室に行けば、右京が本を読んでた


「お風呂ありがと」

「ん。疲れただろうから先寝てていいぞ」


ポン、と頭に手を置いて寝室を出た右京に

こうも気持ちを自覚して幼馴染から彼氏彼女に関係が変わると落ち着かなくなるものなのか


「…ドキドキして寝れないや」


布団を被ってうるさい心臓を静かにさせるように目を閉じる


ウトウトしてたら右京が静かに寝室に戻ってきて、隣にきた


「おやすみ」


2人きりの時しか聞けない、優しくて甘い右京の声に安心して夢の中に旅立った