姫は自由に生きている



「私疲れたしそろそろ帰ろうかな〜」


「恋」


「なに右京」


「今日俺の家」


「気にするポイントそこ?」


「あ?」


さっきまで上機嫌だった右京はみるみるうちに般若に変身



「さて恋さん、帰るにはまだ早いので少し話し合いしましょうか」


「時計見てみ?22時って家に帰る時間だから」


少し会わなかった間に恵まで頭おかしくなったのかな


「まぁまぁ恋たん落ち着いて!」


「新に言われるとイラつく」


「俺の扱い…」


「恋、全部に頷いてればすぐ終わる話だよ!」


「私の意思どこにいった?」


「「「ない」」」

「ないですね」


「しばくよ」


右京を睨めば、目を細めて頭を撫でられた


「希姫、なるよな」

「………」

「恋しか務まらない」

「………」

「居心地良いだろ」

「………」

「大丈夫だから、恋」

「………」

「蓮二も喜ぶ」

「………」

「まぁ、恋が希姫だって既に広まってるから拒否権はない」

「今ので全部台無しになったの気づこう?」

「全部恋のため、そう言ったはずだ」

「だから、ずるいってその言い方は…」


ぎゅう、と右京の洋服の裾を握るとそのまま抱き締められた


「俺の隣で笑ってて」


「ん」


高町右京は、私のいつも欲しい言葉をくれる

尚、計算高くてあざといことが判明した模様


「話終わり。帰るぞ」


「いやいやいやいやちょい待ち!?」

「その見え見えの下心せめて隠せ!?」

「なに勝手に帰ろうとしてるんですか」


「ちっ」


玩具を買ってもらえなかった不機嫌な子供の如く、盛大に舌打ちをかます右京


「とりあえず恋さんは希姫を承諾したということでいいですね?」


「最初から拒否権なんてなかっただろーが」


「今日まで待った俺たちをむしろ褒めて下さい」


相変わらず私の地雷をスレスレで踏みやがる恵に舌打ちをしたくなった


「恋が希姫だー!」

「やっほおおおおおおい」