姫は自由に生きている



ここに閉じ込められてから、初めて外に出た


さすがにずっと居るわけだしホテルではないだろうと思っていたけど、ここはどうやらヤツの別荘らしい


緑に囲まれた大きいお屋敷

私はその中の一室に閉じ込められていたらしく、どうりでヤツから育ちの良さを感じるわけだった


「久々の外だしドライブしようか」


エスコートされ車に乗り込む


新島の運転で出発した車は、本当にどこ行くわけでもなくただ走っていた


久々に見た街や海にテーマパーク


「恋、どうしたの?」


ポロリと気づかぬ間に溢れた涙を優しく拭うヤツに私は首を横に振るばかり


みんなと、会いたい



「俺がずっと隣に居てあげるから安心して寝ていいよ?少しおやすみ」


しゃくり上げる私を優しく抱き締めると、背中を一定リズムで叩きあやすヤツ


なにも考えたくなかったのか、私の意識はそこで途切れた


次に目が覚めたとき、ヤツは…悪魔は笑ってた



「恋にとっておきのプレゼントを用意したんだ」


とても嫌な、予感がした


いつもとは違う、冷たくて空気の悪いコンクリートが打ち込まれたままの部屋


「ど…こ」


「こんな汚い場所でごめんね?でもちゃんとプレゼントは用意してあるから少し許してほしい」


「………」


「プレゼントが来るまでまだ時間があるんだ」


分かるよね?

当たり前のように私に覆いかぶさったヤツに、場所が変わっても同じかとなにも感じなかった


ヤツによって可愛く飾り付けされた私は、いつも以上にドロドロに溶かされて記憶に残りそうなくらい大切に抱かれた


「恋は俺のモノ。一生離さない。一生忘れさせてあげない。」


「………」


「君が素敵な女性に育ったら、今度こそ迎えに行くよ。待っててねお姫様」



ヤツの話を聞き終わる前に、疲れ果てた私は意識をまた手放した


だからそんな約束、覚えてるわけなかったんだ