姫は自由に生きている



ガチャリ

この部屋の中に入ってくるのは、あの男ともう1人

ヤツの側近だという新島というスーツの男


「姫、食事です。」

「………」


私の食事は、新島が作る事になってるらしい

自分の信頼している人間以外が作った料理を、私に食べさせたくないとかなんとかヤツが言ってた

毒入ってたらどうしようとか、このまま殺されるんじゃないのかって毎日警戒する私に対して

新島は毎日持ってきた自分用の箸で私に食べさせる料理を一口自分で食べてみせる


「今日はオムライスです」

「…………た、べる」


たまたまかもしれないけど、新島は私が嫌いな料理を絶対に出してこない


食欲のそそられるあたたかいご飯


この時の私の唯一安心出来る瞬間は、新島の料理を食べてる時だけだった


新島はヤツと違い私に必要以上に近づかない。
話しかけてすらこない。
食事中だって、扉の前に立って距離を保ってくれる。


「ご、ちそ…さま」


「完食ですね。主人も喜ばれます。では失礼」


完食したお皿を見て、ふっと少しだけ微笑んだ新島に
たまにこいつは敵ではないのでは?と思ってしまう時がある


「あと2時間で主人は帰ってきます」


バタン…


時計のない部屋で、2時間はどれくらいか分からないけど新島はヤツに忠実なだけの男だ