姫は自由に生きている



琳兄達から聞こえる話を繋げると


水蘭という族が全国No. 1を狙って喧嘩を売ってきている

今の状況は子供ながらに理解していた

つまり、危ないんだと。




ドコォォン


突然前触れもなく倉庫のシャッターを飛ばして乗り込んできたのは、忘れもしない


水色の華の刺繍が入った特攻服を着たバイクの集団


一瞬で互いに戦闘態勢に入る様子に、初めての光景で震え上がった


いつもの優しいみんなは、ここには居なかった



そして、蓮二は黙って私と右京の手を引っ張ると敵にバレないように隠し扉から2階に繋がる階段へと逃した


「総長達に伝えてこい」


コクリ、私と右京は首を縦に振って音がしないように階段を上がってみんなのいる幹部室に行った



「琳兄、大変…!」


「なにがあった」


なにがあったかなんて、既に顔付きが違ったみんなはきっと分かってた


「水蘭だ。」


答えたのは右京。


「やられたね。ハッキングしても出てこない」


「奇襲、か」


「右京、状況は?」


「向こうは約50人、人数的に見て今日潰すってよりも釘刺しか観察しに来た感じに近い。幹部らしき奴は居たけど、トップは恐らく今日は来てない。」


「…そこまで一瞬で判断出来れば上出来だ、右京。よくやった」


パソコンで調べる壮太に、難しい顔の雅

真剣な顔の圭介に、右京の洞察力に驚く琳兄



この頃から、右京にはトップに立つだけの器が既にあった


「俺と雅で様子見てくる。30分経っても戻らなかったら来てくれ」


「わかった」


腰をあげた圭介と雅は、すぐに部屋を出て行った


残った壮太と琳兄と私と右京は、ただ黙って2人の帰りを待った