「恋、全国1番ってすごーく魅力感じない??」
「全国で1番!?すごい!!」
「でもね、俺たちはまだ関東の1番なんだ…」
「圭介は全国で1番になりたいの?」
「恋は話が分かる良い子だね。俺は全国1番になりたいんだけど琳がねぇ…」
「琳兄?」
少し眉を下げて困った顔をする圭介から突然出てきた琳兄の名前
「おい圭介、余計なことを…」
「恋、上手にお願い出来たらご褒美に遊園地行こうか」
「おい!圭介いい加減にしろ!!」
琳兄の言葉を遮って、ニヤリと悪い顔をしながら私の頭を撫でる圭介
それすらも乙女フィルターかかった幼い私には大人でカッコよく見えた
圭介と遊園地…!!!
王子様の皮を被った腹黒圭介に利用されたとも知らず、隣に座る琳兄の洋服の裾をクイクイと引っ張る
雅と壮太はこの時、圭介の大胆な行動に呆れてたんだとか
「ねぇねぇ琳兄」
「なんだ?」
勿論全てを聞いてる琳兄は、私がこの後言うおねだりも分かってるわけで
圭介に白けた目を向けながらもしっかり聞いてくれた
「恋ね、全国の1番になった琳兄達の姿見てみたいな…すごくカッコいいと思うの」
「うっ…」
可愛く甘える声で、琳兄の服を握って目線は計算せずとも勝手に上目遣い
「やだあの子演技派すぎて末恐ろしいわよ」
「将来が心配だ…」
「ぶくくっ…さすが希姫だわ」
側で雅と壮太と圭介がコソコソ話してるのが聞こえる
「恋、琳兄のカッコいい姿もっと見たいなぁ」
「うぐっ…」
心がグラグラと揺れている
妹の私にはなんとなく分かる
琳兄はキッカケさえ与えてしまえば、望んだ結果をくれる人間なのだ
関東のトップで居続けてるのは、特にそれで困らないから
茨の道を進んでまで全国トップを目指す理由が特にないから
多分たったのそれだけ
「琳兄、全国1番になりたい」
「だーっもう!分かったよ!恋の望みを叶えねえわけがねえだろ!!」
琳兄は、私にベタ甘なシスコンだ

