「これ以上好きにさせないでよ…」


俺の胸の中に顔を埋める恋から、ボソっとそんな声が聞こえた


「今なんて言った?」


嘘だと思ったけど、聞き逃すわけにはいかなかった


「べ、別になんもない!!」


分かりやすく顔を赤くして慌てだした恋がどうしようもなく可愛い


「俺の事好き?」


「そ、そりゃずっと一緒にいるわけだし?好きじゃなかったらとっくに疎遠だし!」


「ふーん。」


「な、によ」


「別に。その程度の好きなのかってショックだっただけ。」


「右京…?なんかキャラ変わってない?」


腕の中で震える小動物があまりにも可愛いから楽しくてつい口元が緩む


「元からこれだろ」


「そう?にやけてるけど」


「それよりこれ以上ないくらい俺の事好きなわけ?なあ、恋」


「っ……う、るさいな!」


「10秒以内に答えないなら帰るぞ」


「やだ!!」


帰ると言えば必至にしがみついてくる


メンタルがまだ不安定だからか、恋の方こそ甘えキャラに変わっていると思うのは俺だけだろうか?


「帰ってほしくないなら言えるよな?」


「〜〜なんか右京イジワル!」


「10、9、8、7…」


「あーもう!言えばいいんでしょ!」


「6、5、4、ほら早く」


「……き」


「聞こえない。3、2、1」


「右京の事好きだもん…お、男の人として……」


顔を真っ赤にして涙目で上目遣いで俺の服にしがみついて

こいつ計算してんのか?無自覚なら相当タチ悪い。

「っ………やべえなこれ」


想像以上にキタ