姫は自由に生きている



1時間半くらいして病室に戻ると、恋が体を起こしてベッドに座っていた


「もう動けるのか?」


「動けるのかって元々怪我したわけじゃないから大丈夫だよ?ずっと寝てたから少しまだ体が重たいけど」


「ならいい」


ベッドの隣の椅子に腰を下ろすと、恋は下を俯いていた


「右京」


「なんだ?」


「ごめんなさい……」


「なにが?」


途端にポロポロと大粒の涙を零す


「右京の事傷付けたっ…」


「んなこと気にするな。男の傷は勲章だって兄貴も言ってただろ?」


「でもっ!」


「でももなにもない。それに謝るのは俺だ。」


「なんで?」


俺の為に泣いてくれる優しさも

キョトン、と首を傾げる仕草も

抱き締めると恥ずかしくて逃げようとする所も


全部全部愛おしい


「守れなくてごめん」


「右京のせいじゃない!」


「俺のせいだ。俺の管理が甘かったからお前は捕まった」


「あれはもう仕方なかったんだよ…」


「仕方ないで済ませらんねえよ。俺はお前を守るって誓ったのにな、」


「右京…」


「ごめんな恋。お前を守ればお前が苦しむ事も分かってた」


「じゃあなんで庇ったりなんてしたの!」


「お前が死ぬくらいなら俺が死ぬ。俺が撃たれた事でお前が苦しんでるなら俺が救い出す。それだけだ」


「ばっかじゃないの…!もっと自分の事大切にしてよ!!」


「俺は自分の命よりも恋の事が大切だよ」


俺の背中に回っている恋の細い腕に力が入った


「ばーか。ばーかばーか」


「ばかばかうるせえ」


「ほっんとにバカ」


「あ?」


俺の洋服にシミが出来るくらいに泣き続けている恋