姫は自由に生きている



「う、きょ…」


確かに、恋が俺の名前を呼んだ


「よかった…!恋っ」


「おは、よ」


「寝すぎだ馬鹿」


「ふふっ」


力が完全に入ってない腕を伸ばして俺の頭を優しく撫でる恋


ずっとこのまま過ごしていられるくらい幸せだった


「今医者呼ぶから」


「あ、りがと」


でも、恋の体が第一だから仕方ない


ナースコールを押して恋が目覚めた事を伝えると、すぐに女性の主治医と看護師が2人病室に入ってきた



「目が覚めて良かったわ。自分の名前言える?」


「杉咲恋です」


「血圧は低いけど意識もハッキリしてるし問題なさそうね。検査して問題がなかったらすぐに退院出来るから安心してね」


「はい」


昔も恋を担当し親身になってくれた担当医である近藤さんの姿を見て、安心した表情を浮かべた恋


「それじゃあ右京くん。女子トークするから貴方は席を外して頂戴?」


「………わかりました。恋、また後で来るから」


この人に逆らうと後が恐ろしいのを知っているから俺は大人しく病室を出た


優しそうに見えて実は怒らせると一切の容赦がない仕事の出来る近藤さんは、病院内では有名な女医だ


病室を追い出されて屋上に来た俺は琳さんに電話を掛けると


ー「どうした」

「恋が目覚めました」

ー「は!?まじ!?仕事終わらせたらすぐ行くわ!」


それだけ言ってすぐに電話を切ってしまった



まぁ想定内だから良いとして、後はあいつらだよな……


琳さんの意向で俺以外の外部の人間を面会謝絶にしてたから勿論あいつらは恋の見舞いに一度も行けてない


今教えたら絶対押しかけてくるよな……後でにするか