姫は自由に生きている




看護師さんに聞いた話によると、右京が目を覚ました第一声は


「れ……ん、は」


だったらしい


つまり、恋さんの安否を目覚めて1番最初にしたんだとか


本当にブレないというか恋さん馬鹿というか…


驚異のスピードで回復している右京は目が覚めてから3日程で一般病棟に移り、やっと俺たちは右京と話す事が出来た。


他の入院している患者さんを怖がらせてしまうからICUに出来れば入らないでほしいと言われてしまったもんだから、右京と直接話す事が出来なかったのだ



「右京、体は大丈夫なんですか?」


「ああ。任せっぱなしで悪かったな」


「希龍の事は気にしないでください。後報告ですが…」


「なんだ」


「田中岳は逮捕されました。後で琳さんと圭介さんが来ると思いますけど念の為知らせておきますね」


「……巻き込んですまなかった」


個室である病室には俺と右京しかいない


表情を一切変える事のない右京は、視線を空に移した



「そう思うなら早く退院して元気な姿で倉庫に戻ってきて下さい」


「……あいつらはなんて言ってる?」



「みんな、2人の口から聞きたくて待ってます」


事件から約1週間


倉庫であの日の事を話題に出すのはみんな避けていた


「……恋は今どこにいる」


「精神科病棟で、一度も目を覚ますことなく今も眠ってます。」


「そうか……」


「右京、恋さんは「わかってる!」……」


「俺が恋を守って撃たれる事がなによりもあいつのトラウマを引き出す事は分かってたんだよ。でも、恋を傷付けるわけにはいかねえだろ?」


「………」


「必ず起きる。あいつはここで堕ちる程弱くねえんだよ」



それは、恋さんが希姫だったからですか?



なんてさすがに聞けなかった