姫は自由に生きている



次の日、朝から病院に行くとICUの前には剣が居た


「剣、」


「あ、恵…」


剣は泣いていたのか目が腫れていて、いつもの元気がなかった


「大丈夫ですか?」


「俺は大丈夫。でも……」


「ん?」


「恋が目を覚まさないんだっ…!」


「えっ?」


膝から崩れ落ちて泣き出した剣に俺の心臓がバクバクと嫌な音を立てる


「睡眠不足と栄養失調と精神的なストレスとトラウマと右京のやつで、現実を見たくなくて自己防衛に入ったって医者に言われた。目を覚まさない可能性だってゼロじゃないって…!」


「そ、んな……」


「朝から面会謝絶になってさ、俺病室追い出されたんだ…」



俺たちの中で作り上げてきたなにかが、少しずつ崩れる音がする


「右京は、きっとすぐに目を覚まします。恋さんもきっと、右京が目を覚ませば起きてくれますよ」


でも、2人の奇跡を俺は信じたい



今眠っている2人のお互いを想う気持ちはとても強いから。



きっと…きっと、右京と恋さんなら大丈夫



「俺は、2人を信じます。俺たちは出来る事をして待ちましょう」


「そ、うだよね。俺も信じる」







それから右京が目を覚ましたのは、あの日から2日後だった