姫は自由に生きている



ふっ、と力が抜けて崩れ落ちた恋さんをキャッチした圭介さん


琳さんと言い右京と言い圭介さんと言い、恋さんをたったの言葉1つで眠らせるなんて魔法使いなんだろうか?


さっきまで暴れていた恋さんは涙の跡を残して圭介さんの腕の中で眠っている


面子はそんな2人の姿をずっと見ていたわけで、たくさん気になる事も聞きたい事もあるが今はゆっくりしている時間はない


「圭介さん、」


「恵、早く撤収するぞ。サツが来るのも時間の問題だ。琳の馬鹿はあいつらがそろそろ抑えるからお前達は帰れる奴からもう帰らせていい」


「わかりました。恋さんは…」


「恋は俺が病院に連れてく。恵と新は後で病院に来い」


「…わかりました」


「大丈夫。お前達の総長は1人の女を守るこの日のためだけに強くなったんだ。それで死ぬような柔な男じゃねえんだよ。」


すれ違いざまに俺の頭にポン、と手を置き自分の車へと恋さんを抱いて向かった圭介さん


なんとなく、恋さんが安心して身を任せて眠った理由が分った気がした


全てを包み込む強さのあるこの人達の言葉は、どこか安心する


「各自捕まらないように倉庫に帰ります!急いでください!」


「「「「はい!!」」」」


次々とバイクに跨りエンジンをかけて倉庫を出て行く面子達


「琳、コイツは俺たちがしっかりサツに渡すから病院行って」

「勿論少し頭冷やしてからだぞ?」

「つかお前も軽くアウトだからさっさと出るぞ」


先代方は琳さんの暴走を止めたらしく帰る支度をしていた


田中岳の身柄は先代方が警察に引き渡すらしい


琳さんは背中を押されて迎えの車に入れられていた


「おまっ…ちょ、押すなよ!」


「そんな状態じゃ運転しても事故るだろうから迎え呼んでやった俺らに感謝してさっさと恋と右京の所行けよな!」

「後で見舞いは行くから独り占めすんなよ?」

「ほーら行った行った!」