姫は自由に生きている




「ぐはっ…はははっ…こほっ…んぐっ…」


「てめえがっ…てめえさえ居なければ!」


「琳落ち着け!」

「お前が暴走してどうすんだよ!」

「おい!琳さん止めろ!!」

「殺しかねねえぞ!」



我を忘れてもう動くことさえ出来ない顔面の原型を留めていない田中岳を未だに殴り続ける琳さんは先代方に任せるとして


「私も右京のところ行く!行かせてよ!お願いっ!」


「恋ちゃん後で連れてくから落ち着いて!」
「総長は絶対死なないから!」
「恋ちゃんを置いていったりしないから!」
「今はここを離れよ?」


面子の言葉なんて全く届いてなくて

右京だけを想い涙を流し続ける恋さんに、俺たちの姿さえきっと映っていない


無理矢理気絶させるわけにもいかないしどうしようか、と考えていると


意外にも弟が生死を彷徨っているというのにも関わらずこの中で一番冷静な圭介さんは、暴走する琳さんを先代方に任せて面子に保護されて暴れている恋さんの元へ向かった



「恋、右京は大丈夫。お前を置いて死ぬなんて事は絶対にしない。アイツと誓ったことだろう?」


面子に退いてもらい恋さんを正面から優しく抱き締めて頭を優しく撫でた圭介さんは、普段からは想像出来ないほど優しくて真剣な表情をしていた


「ふぇっ…だ、て…わたし…」


「言ってごらん?」


「蓮二も…圭介も傷付けて、はぁっはぁ…右京も私のせいで撃たれたっ…!」


「蓮二は恋を守れて後悔はしてないさ。俺だってこの腹にある傷は恋を守れた証として誇らしく思ってる。右京が恋を守る理由は分かってるだろ?大丈夫。誰も責めていないよ。こうしててあげるから少し休もうか。」


「う、ん……」


「目瞑って。…そういい子だ。おやすみ、恋」