カス高までは電車に20分乗り、最寄りの駅から歩いて5分。


「いってきまーす!」


「いってらっしゃい恋ちゃん」


お母さんに見送られてカス高に向かう。


楽しみだな〜。友達出来るかな〜。


るんるんで登校する私を同じ制服の人が見え始めると視線を感じるようになった。


「?」


「(すげぇ美人)」
「(めちゃ可愛い)」
「(見たことない顔だな)」
「(転入生か?)」


なんて思われてるのを私が知る由もない。


そんなこんなでカス高に着いた。


見た目は…うん。公立だから仕方ないか。


職員室探そーっと。


職員室職員室ーっと。


職員室を探し続けること5分。


杉咲恋、迷子になりました。


まだ5分しか探してないじゃんって?


飽きたものは仕方ない。


でも職員室行かないとクラス分からないしなー。


うーん、と悩んでいると私の横を通り過ぎるカス高生徒を見つけた。


「ねぇ君!」


「うおっ!なんすか?(やべぇめちゃタイプ)」


「職員室どこ?」


「職員室なら一階の廊下右に真っ直ぐ行って突き当たりっすよ」


「ありがとう」


「う、うぃっす」


私が声を掛けた金髪ツンツンヘアの男の子は顔を赤くして消えて行った。