「れ、んが…?」


「嘘だろ?だって…」


言葉にならない俺たちとザワつきだす面子


先代方も右京も、なにも言わない


「あぁ、年齢がおかしいって?姿をごく稀にしか現さなければ大人びた9歳の恋は簡単に18歳だと誤魔化せるさ。そうだよなあ?杉咲琳」


「…………っ」


「 そういうことだよ7代目希龍の諸君」



にしても、俺たちの世界の憧れの希姫がたったの9歳だったなんてそんなすぐには受け止めきれない


呆然と立ち尽くし、抗争とは思えないほどの静かな空間


ガチャリ、そんな時に2階から音がした


「「「「「恋!!!!」」」」」

「「「「恋ちゃん!!!」」」」


白いワンピースを着て生気のない死んだ顔をした10日ぶりの恋さんは、


「み……んな」


2階の柵から俺たちを見下ろし静かに涙を流していた


「恋おはよ。こっちにおいで」


届きそうで届かないもどかしい距離


恋さんは田中岳の言った通りに、涙を流したまま黙って階段を降りてきた


「体は大丈夫?さっきは少し激しくしすぎたよね、ごめんね?」


「……めてよ」


「ん?」


「みんなの前でやめてよ!!!」


田中岳の隣で立ち止まり、そのまま恋さんは腰を抱き寄せられた


微かな抵抗に隠す事を出来ないくらいの恐怖心



恋さんは明らかになにかに怯えていた