姫は自由に生きている



少し強いんじゃないかと期待してた分物足りない


というか弱すぎて全員拍子抜けだった


まぁ、道を塞ぐ邪魔なのが居なくなったからとりあえず右京を先に行かせようとしていたその時



「あーあ。思いの外早かったなあ」


誰かが、2階から降りてきた


光の加減で顔の見えない男の登場に先代方の空気が一瞬にして変わった


「てっめぇ…!!」


戦闘態勢に入り出した先代方に、なんとなく察した


階段を降りて俺たちに近づきやっと顔が見えた男は、写真でこないだ見たばかりの田中岳だった


本当に写真で見た通り育ちの良さそうな綺麗な顔をしている

こんな人が恋さんを監禁なんてするのだろうか?


「くすくすくす。会うのは9年ぶりかな?」


「恋を渡せ」


「恋は誰にも渡さないよ。俺のモノだからね」


「誰がてめえなんかに渡すかよ!返せ!!」


俺たちの役目は水蘭を倒し恋さんを奪還すること

5代目の方々は、過去の清算をする為に田中岳を潰すことが今回の目的

そう、よって俺たちは空気を読んで邪魔にならないところに移動して様子を見ている


右京と琳さんを先頭に囲むようにして立つ先代方から出る殺気は凄まじい


それに全く動じず平然と笑っている田中岳はこの空間で異質だった


「全く、君たちが思いの外来るのが早いから恋を愛し足りなかったよ。どうしてくれるんだい?」


その言葉に俺たち全員頭に血が上ったのは間違いないだろう

それでも動かなかったのは、


「ざけんじゃねえ!!あいつはモノじゃねえんだよ!!」


あのいつも無気力で大声を出すことなんて滅多にない右京が、本気でキレたからだった


俺はゾワッと全身が身震いをした


「へぇ。さすが歴代最強だなんて言われるだけあるね。君も強くなったんだ」


そんな右京の姿にニヤリと口元を歪めた田中岳