姫は自由に生きている



右京は俺に住所の書かれたメモだけを渡すと車に乗り込んでしまった


調べてみるとここから30分くらいの場所だった


俺たちの管轄区域ではないからあまり行かない場所で、そこになにがあるのか分からない


大雑把にみんなに道の指示を出し先頭を走る新は迷子にならないよう道をインプットする


ちらりと視線を逸らせば新島はすでに居なくなっていた


「よし!覚えたよ!」


新は自分に続き先頭を走る面子にも地図を見ながら覚えさせたみたいだ


俺は出発する支度が整ったのを確認して右京の乗るの窓を叩くとすぐに窓ガラスを下ろしてくれた


「出発出来ます」


「行くぞ」


右京の言葉を合図に新達はバイクを鳴らし走り出したのに全員続く



慣れない道を約30分走らせ着いたのは倉庫だった


そして倉庫に着くと何故か先に琳さん率いる5代目の方々が待ち受けていた


「兄貴!」


「お前らやっと来たか。右京は?」


「すぐに出てくるかと」


今日は有給を使って過去の清算をしに来たという先代方は特攻服を纏い現役の頃と何一つ変わらなかった


少しして右京が車から降りて琳さんの目の前に来た


「お疲れ様です」


「右京、自分を見失うなよ」


「……分かってます。」


少しばかり顔色の悪い右京は血が滲むくらいにずっと拳を握っている


琳さんは右京にそれだけ言うと倉庫を静かに見上げた


圭介さんは右京の頭にポン、と手を置いた


「恋を助けるのはお前しか居ねえ。大丈夫だ」


「あぁ」


「死ぬなよ」


「………」


右京は、返事をしなかった