姫は自由に生きている



「恋ただいま。寂しくなかった?」


タイミング良く帰ってくるヤツは当たり前のように私を抱き締めた


「…………」


「恋がなにを考えてたか当ててみようか」


「………」


「あのクソガキ共の事でしょどうせ」


声を出してたわけじゃないのに、どうしてヤツは私の思考が読めるのだろう


バッと顔をあげてヤツを見ると、光のない目で私を見つめ口角だけを上げていた


「っ……」


「許さないよ。俺以外の男の事を考えるなんて」


「やっ…ごめ、なさ……」


「どうしたら俺だけを見てくれるの?君は俺のモノなのに」


「痛っ…」


ギリギリと私の手首を思い切り掴むヤツのあまりにも強い力に痛すぎて涙が出てくる


「そんなにあのガキがいいわけ?」


「はな、してっ…」


「この髪も目も鼻も口も手も足も声も涙も全部俺のモノなのにっ!」


「ゴホッゴホッ」


「誰にも渡さないよ。何の為にあの男を殺したと思ってるの」


狂気的な瞳で私の首を絞めるヤツに、私の意識はどんどん薄れていく



「う…………きょ」


脳裏に浮かぶ私を呼ぶ右京の姿を最後に私の意識は途切れた



「邪魔者は全て排除してあげる。そしたら君は俺だけを見てくれるんだよね?恋」



意識を無くした私を愛おしそうに抱き締めるヤツの言ってた台詞なんて、私は聞くよしもなかった