姫は自由に生きている




コンコンコン



「右京、入りますよ」


「……ああ」



倉庫に戻ってすぐに俺は右京の寝ている総長室を訪れた


時刻は午前4時


右京は熱が下がって汗を流したかったのかちょうどシャワーを浴びて出たところだった


「恋さんの居場所、見つけました」


「帰ってたのか」


「はい。もっと顔見せに来いって言われましたけど」


「もう少し、肩の力を抜け。」


右京はそういうと俺の肩をポンっと叩いてベッドに腰を掛けた


右京は俺の過去と騎士さんに育てられた事を全て知っている


「いつ行きますか?」


「………」


今すぐにでも行くと言うと思っていた俺は、妙に落ち着いていて考える右京に違和感を覚えた


「右京?」


「恵、」


「なんですか?」


「俺に恋を迎えに行く資格はあると思うか?」


「むしろ右京しか居ないですよ。」


なにを言い出すのかと思えば、熱で魘されていた時と真逆の事を言い出した


本当に何年経っても右京の思考は読めない


「二度も助けられなかった俺が?」


「貴方達が話さないからどんな事情があったかなんて知らないです。でも、間違いなく恋さんは右京の助けを望んでいます」


「…そうだよな。」


先程父さんに言われた言葉が脳裏をよぎる


2人の過去は、2人だけのものではない

希龍のパンドラの箱


どういう意味なのか分からなかった


ただ、父さんの口からそれを聞く勇気は俺になかった