姫は自由に生きている



「お前らのお姫様を連れ去った泥棒はこの男だ」


騎士がカウンターにパサッと置いたのは数枚の写真


「……本当にこの男が?」


「ああ。驚くだろ?」


恵が驚き騎士が納得するのは、写真の男があまりにも綺麗な顔立ちをしていたから


男にしては色が白く顔立ちも整いハッキリしている
おまけにスーツを嫌味なく着こなしていて、まるで映画に出てきそうな程ジェントルマンだった


本当に、こんなイケメンが犯罪者なのか

恵はつい疑ってしまった


「彼女との接点なんてあるんですか?」


「まぁひとつ言えるとすれば、この男は相当なボンボンでしかもいくつも会社を経営する敏腕社長だ」


「彼女の父親は確か製薬会社の社長でしたよね?」


「そう、あるとすれば接点はそこ。むしろ俺ですらそれ以外の接点がなにも見つからなかった」


「可能性は高い、ってことですね」


「それとお前らが一番知りたがってるお姫様の居場所だが、」


「見つけたんですか!?」


「俺を誰だと思ってんだ。ちーっと危ない橋を渡ったが掴んできたぞ」


「どこですか?」


「ヤツの別荘だ。それもかなり都心から離れたところにある人目に付きづらいところ」


騎士はそういうと恵に地図と住所を書いた紙を渡した


「助かります」


「あとはなんかあるか?」


「Ritterは、右京と恋さんの間になにがあったのか知ってますよね」


「そりゃあ俺は情報屋だからね」


「じゃあ、"父さん"は知ってますか?」


一瞬だけ、騎士の顔が引きつった


まさかその切り返しが来るとはさすがに騎士も想像していなかったのだろう


情報屋Ritterとしてではなく、騎士として右京と恋の事を知っているか