姫は自由に生きている



『黙れ。これは俺と右京の問題だ。部外者が口を挟むな』



実の弟に対して部外者、という琳さんの表情は無で。


『な、んだよそれ!』


『恋を必ず守ると俺たち5代目に頭を下げたのはコイツだ。だから部外者は黙ってろ』


剣は唇を噛んで反論するのを堪えた


本能が、琳さんに逆らってはいけないと警告している


『必ず、見つけ出します。』


『当たり前だ。約束忘れんじゃねえぞ』


『はい』





あの日から1週間


右京は恋さんを探しに行く代わりに、極端に自分の事を全て後回しにするようになった


食事も睡眠も取らずに一日中繁華街に出ては情報を集め、喧嘩を売ってくる雑魚を倒し無茶苦茶だった


フラッと倉庫に帰ってきたと思えばシャワーを浴びてすぐに街に戻る


俺たちがいくら止めようと右京にはなにも届かない


少なからず水分は摂っているみたいだけど、食事という食事は全くしていない


右京が寝ている姿なんて1週間を通してほぼ見ていない


こんなんで体が持つとは思えない。


「右京、いい加減休んでください」


「………」


「体も辛いでしょう?」


「……俺なんかよりも恋の方が苦しんでる。このくらいなんでもねえ」


「無理しすぎて倒れたらどうするんですか!それこそ恋さんが悲しみます」


「るせえ。俺に指図すんな」


幹部室から出て行こうとする右京の腕を掴むと振り払われた


そして顔色悪く出て行った右京の手は、物凄く熱かった



「剣、新!今すぐ右京の後を追って下さい!」


「え?どうしたの?」


「そんなに慌ててどうした?」


「右京の身体が限界です。…多分高熱を出してます。あのまま繁華街で暴れられたらウチが先に潰れます」


「い、行ってくる!!」


「やべえな右京。剣行くぞ!!」


総長の敗北は族の敗北

つまりは解散。こんな事で希龍を失くしては先代方に顔向けができない。



剣、新、頼みましたよ