姫は自由に生きている



恵side


「右京落ち着け!」

「いい加減にしろよ右京!」


「黙れ」


恋さんが新島という男に俺たちの目の前で連れ攫われてから1週間が経った


あの後すぐに琳さん達5代目に連絡を入れると仕事ですぐ抜けられないとの事で、夕方に全員集まった


『説明しろ』


片付け途中の倉庫に凄まじい殺気を放って一番に来た琳さんは、右京を見つけるや否や無言で頬を殴った


抵抗しなかった右京は吹き飛ばされた

それだけで琳さんの実力が分かるだろう


『『『総長!!!』』』


『来るな』


すぐさま駆け寄ろうとした俺たちと面子を制し、立ち上がった右京は琳さんの前で頭を下げた


『俺の責任です』


『お前だから恋を託したのにこのザマはなんだ。あまり俺をがっかりさせんな』


伝説の5代目総長は何年経っても健在で、俺たちは足が震えて立ってただ見ている事しか出来なかった


『必ず取り返します。』


『お前、恋があのサイコパス野郎の所に捕まった意味分かってねえはずねえよな。』


『……はい』


『俺が動く前にお前らが1秒でも早く恋を見つけ出せ。てめえは恋を守る為だけに希龍に入って総長になって歴代最強を手に入れたんだろ。これ以上俺を失望させんな』


『分かってます』


右京が総長になったのは全て恋さんのため?


引っかかったけど、今聞ける雰囲気でもなくて飲み込んだ


『兄貴!俺たち全員の責任だから右京だけを責めないでやってよ!』


弟である剣ですら、琳さんに反論するのに勇気がいるのか拳が震えている