姫は自由に生きている



「剣もそのうち帰ってくるわ。恋の留学の話聞かせてよ」


重い空気を変えたのはお母さんで。


なんとなく琳が可哀想になって私も切り替えて留学先での話をたくさんした。


ちなみに剣は、私の双子の弟だ。


いつも私の後ろをちょこちょこ着いてくる可愛い可愛い私の弟。


目がまん丸で、肌がとても綺麗でぷるんとした唇で、あー。言い出したらキリがないわ。


なんて言うのも、私の剣の記憶は小さい頃で止まっているのだけれども……


だからこそ会うの楽しみだったのに。ったく。


「恋も飛行機疲れたでしょ?今日は部屋でゆっくり休みなさい」


「はーい」


お母さんに言われて、私は懐かしい自分の部屋に入る。


部屋は留学する前となんにも変わっていなくて。


きっとお母さんがこまめに掃除してくれたんだと思う。


埃一つない綺麗な部屋だった。


次の日、朝起きると誰も家には居なかった。


お父さんと琳はきっと仕事で、お母さんはママ友と出掛けているらしい。


だから私も朝ごはんのパンを食べて着替えて、近所を散策することにした。


散策をしていて分かったことは、7年前と今とで、街の景色が大きく変わっていること。


全然知らない街に来たみたいだ。


それがなんだか寂しく思ったり。