姫は自由に生きている




恋さんを隠して俺と右京は幹部室を出た


2階に続く唯一の階段の目の前で進路を塞ぎつつとりあえず状況を把握する


ウチは100人ちょい、向こうはざっと200人くらいか


人数は不利だが、舐められては困る


伊達にトップを張ってるわけじゃないですからね。


優位に立っているのはコッチだ

勝算は確実に見えている


下のど真ん中では、新と剣が向こうのトップ達と睨み合っている


怒鳴り声と物音でなにを話しているかは聞こえないが、普段穏やかな2人が苛立ちを隠していない以上なんとなく察した


「右京どうしますか」


あっという間に200人を倒したウチの面子達は怪我しているもののほとんど全員が立っていた


ゴロゴロと敵の屍が転がる荒れ果てた大広間はさっきまでと打って変わって静まり返った


右京はそれを見計らったように階段を降りて剣と新の元へ向かうから、俺はそれに黙って着いていく




「あーあー待ちくたびれましたよ希龍の総長さんよお!!」



わざとらしくペッと唾を吐いてみせたのは水蘭のトップ


当たり前だが右京はフルシカト


面子達も黙って様子を伺いながら傷の手当てをし合っている



「闇討ちしときゃお前らを潰せると思ったのにとんだ誤算じゃねえかちっ」


最早右京にとって喋る価値すらないんだろう


目の前にいる水蘭のトップ達に目もくれず辺りをキョロキョロ見渡している


「なんとか言ったらどうなんだ高町!!!」


「あ?」


「な、なんだよ」


右京の凄み一つでビクつく向こうさんに関東止まりはまだまだだなと冷静に判断する


「何故お前らはチームの名前を変えた」


絶対に右京は、水蘭という名前を自分の口から出さない


そして、目の前にわざわざチームの名前を変えて名乗るその水蘭が居るだけで不愉快なのだろう


暴れていないのがきっと奇跡なんだ