姫は自由に生きている



「剣かわいい〜!!!なにもなかったから大丈夫だよ!あーかわいい食べちゃいたい」


「俺より恋の方が可愛いでしょ!お腹空いたから早く食べよ!」


「そうだね!」


さりげなーく、恋の腕を引っ張って俺から離した剣


恋がこっちを向いてないのを良いことにシスコン野郎は俺の方を見て

ベー、と舌を出してきやがった


完全にこないだの言い合いを根に持ってるらしい



恵も新もそんな剣を見て呆れている様子



「右京も早くこっちおいでよ、ずっと立ってどうしたの?」


「今行く」


「恋はルー多めだよねー?」


「さすが剣!」



恋にとって剣は天使らしいけど、俺たちにとって剣は悪魔だ


なんも考えてなさそうに見えて実はよく周りを見ていて、アクシデントに対応するのが苦手な事前計画派の恵に変わって
その場の状況で作戦を立て直して確実に潰しにかかり敵を追い詰めて勝利への鍵を握るのは実は剣なんだ



そんな意外な一面から、剣は副総長に選ばれた



琳さん譲りの頭の回転力を隠し持つこいつは、本当に計算高い


女共が騒ぐ『剣君ってふわふわしてて可愛い〜』も恋が言う『マイエンジェル!』も全て剣の計算だって分かったらなんていうだろうか


でもな、剣

お前は俺に対抗するばかりで爪が甘えんだよ


「恋」


「ん?ふぁに?(なに?)」


「こっちおいで」


カレーを飲み込んでから剣の隣から俺の隣に大人しく移動してきたほんのり頬の赤い恋


「ん…右京の手気持ちいい」


額に手を当てると、平熱より明らかに熱かった