「………」
「………」
おかげで部屋に気まずい空気が流れる
「恋」
「なに?」
「なんで抵抗しなかった?」
「……私が右京を拒む理由なんてないから」
「もしあのまま最後までしてたら?」
「……それでもいいと思った」
自分で言っておいて恥ずかしくなったのか語尾が小さくなってくるりと背を向けて毛布を被った恋に、どうしようもない愛おしさが溢れ出る
「恋」
愛してるよ
そっと心の中に言葉を閉まって、背中を向けて毛布に隠れる恋を背後から抱き締めた
お互い喋らずただ身を委ねる
いつの間にか恋から規則正しい寝息が聞こえてくる
ついさっきまで襲われかけていた男の腕の中で安心して眠る恋に本格的に心配になってきた
「もっと警戒しろバカ恋」
「んー」
夢の中に旅立った恋はくるりと体制を変えて今度は俺に抱き着いて足を絡ませてくる
こいつのいつもの寝るスタイルだから慣れたけど、相手が俺で良かったと感謝してほしい
「はぁ……」
まぁこれから事が落ち着くまで恋を総長室にずっと置いておくつもりだったからこれでいい。
もし突然なにかあった時、幹部室より総長室の方が時間稼ぎになるし守りやすくもなる
危険の多いヤツが狙いやすい学校も暫くは休む
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『いいか右京。恋を不安にさせず片時も離れるんじゃないぞ。それが自分の命に代えても守るということだ。お前なら出来るよな?』
『出来る。なにがあっても恋を守る』
『いい子だ。俺が死んだら俺の代わりにちゃんと恋を守るんだぞ?好きなんだろ?』
『んな縁起でもねえこと言うなよ』
『恋を守って死ねるなら本望だなーって』
『…馬鹿じゃねえの』
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約束、ちゃんと守るから見てて下さい