「なに?」
「恋が途中で俺と電話を繋げてた事に気付かなかった時点でお前に勝ち目はねえよ」
「え!?いつの間にっ…?」
「ごめんね恵、じゃないと右京が心配するから、ね?」
いつ右京と電話を繋げたんだ??
彼女はそんな素振りを見せてなかったはず……って気づかない時点で俺に勝ち目はないし恋さんに車を出る前にまだまだだねって言われたのか
右京は驚いている俺に構わず、マイペースに恋さんの頭を撫でている
「はぁ…俺の完敗です。2人きりならなにか話してくれると思ったんですけどね」
「まぁ、1つだけ言えるとするなら
右京の発言は私の発言、私の発言は右京の発言
ってことだよ。だから"今聞く"のは無駄ってことかな」
「"今"は、ですね…」
右京と恋さんの発言は同じ、という事はやっぱり2人は過去で繋がっていてなにかを共有している事になる
今俺がどんなに聞いても話せない、それはつまり俺の憶測が正しければ闇討ちの被害が広がってまだ見えない敵が動きを見せた時、それがきっと話す時なんだろう
「そういうこと…ってうわあ!?」
「いつまで話してんだ遅え。」
この独占欲剥き出しの不器用な愛情表現も愛想尽かされなければいいですがね
恋さんを担いで右京はスタスタと倉庫の中に入ってしまった
きっとあれは総長室コースだなぁ、なんて思いながら俺も倉庫に入った

