姫は自由に生きている


「ーー?ーん」


「んぅ〜…」


なんか声が聞こえる

誰かが私の事を起こしてる


「れん。れん、起きて?」


「ん……ん?」


あ、この声剣だ。


私が向こうに行く前と声が全然変わっててもすぐ分かるよ。


だって大好きな片割れだもん。


そういえば剣のベッドに侵入したんだっけ?


うっすら目を開くと、ドアップ天使!


一瞬で目が覚めた。


「へへへ〜」


思わずニヤケてしまう。


剣可愛いなぁ。


「恋おはよ。起きた?」


「ん。起きた。おはよ剣」


「どうして俺のベッドに居るの?俺起きてビックリしたんだけど…」


「ひーみーつだよー。えへへ」


「恋かわいいっ!」


えへへとふにゃぁっと笑うとぎゅーっと剣に抱き締められる。


「むっ…剣くるし……」


「あ、ごめんね恋!大丈夫?どこも痛くない?」


「へーきだよ」


「良かったぁ」


ほっとした様子の剣を見て幸せだなぁと思う私は、ふと思ってしまったのだ。



これ、


「どこのバカップルだよお前ら!!!見てて甘すぎて気持ち悪ぃわ!!!ボケ!!!」


あ、ここにも同じこと思ってる人居たわ。


バン!と扉を開けて鋭いツッコミをしながら私と剣の甘いひとときを邪魔したこいつの名前はそう。我が兄琳である。


「ちっ…」


まぁ私もどこのバカップルだろーなって思ったから別にいいのだけれども。